登喜和食品(東京都府中市)

「“命”を育むのは食べ物。農薬や添加物は使わない方がいい」

2017-05-1

登喜和食品代表の遊作 誠さん

テンペはインドネシアの伝統食品

野菜ごろっと弁当シリーズの「ステップマクロビ弁当」にこの春から登場しているのが「テンペ」という食材。インドネシアの伝統食品で煮大豆をテンペ菌で発酵させた、日本ではまだあまり馴染みのない食材です。発酵の作用によって豆同士がくっついたブロック状になっていることが特徴で、そのままスライスしたり、ほぐして使うなど様々な調理ができる便利な食材で、和洋中のどのジャンルでも、はてはスイーツにいたるまで幅広い料理を楽しめます。納豆のようなネバネバやニオイはなく、テンペ菌の作用で通常の大豆よりもビタミンB群や必須アミノ酸、食物繊維などを多く含み、ヘルシーな健康食品として注目されています。

2017-05-3

日本の農業の現実に直面して

テンペを作っている「登喜和食品」の創業は戦後間もない1949年。納豆の製造販売を家族で切り盛りされていたそうです。代表の遊作誠さんは3代目。作っている納豆、テンペともに国産大豆100%。納豆につけるタレや辛子にも添加物は使っていません。

実は2代目のお父様の時代には輸入大豆を使用し、タレや辛子にも添加物を使っていたそうです。3代目として家業を継ぐ時に、国産大豆を使い、自分が納得できる美味しいものを作ろうと決心されました。その考えに至ったのは、とある経験からだそうです。

「大学卒業後、私はあえて食品と関係ない業種の会社に就職し、東北新幹線の建設のための測量調査をしていました。ホテルも旅館もないような山深い地域では、地元の農家さんのお宅に寝泊まりさせてもらうこともあったのですが、そこで垣間見た農家の暮らしは想像以上に大変なものでした」と遊作さん。当時、冬の農閑期には家族を家に残し仕事を求めて都会に行く農家が多かったそうです。昭和47年ごろのピーク時には東北地方だけで4万5千人もの人が出稼ぎに行きました。しかし、就労の環境が整っていなかったこともあり、出稼ぎに行っても生活はたいへん厳しい状況でした。「人の命は食べ物で育まれるのに、その食べ物を作る農家が何故こんなに厳しい環境で仕事をしているのだろうと、日本の農業の現実に愕然としました」とおっしゃる遊作さん。食品と関係のない仕事に就いたはずが、後に家業を継ぐ際の大きな方向転換のきっかけとなったそうです。

「納豆屋を継ぐ時に、原料をすべて国産にしようと決心しました。少しでも日本の農家を支えたくて…」と遊作さん。畑に直接出向き、大豆の品質、栽培方法を確認するのはもちろん、農家さんとじっくり話をし「この人の大豆なら是非!」と思える農家から直接仕入れています。「食べ物が命を育んでいるのだから、ちゃんとしたものを作りたいのです。農薬や添加物は使わない方がいいに決まってます!」

2017-05-2十勝クリーン大豆生

大豆の生産者・十勝クリーン大豆生産組合のみなさん「食べる人のことを考えて、より安全でおいしい大豆をつくろうと、土づくりを基本に、さまざまな工夫や努力を重ねています」

テンペは注目のスーパーフード

テンペを製造するようになったのは12年前。納豆と同じように大豆を無塩発酵させた食品であるテンペに興味を持たれた遊作さん。「テンペ菌の作用でグルタミン酸やオレイン酸、ビタミンB群や食物繊維などの栄養価が増えるとともに、抗菌作用、美白作用、抗アレルギー作用、アンチエイジングなど、さまざまな効果が期待できるスーパーフードとして、テンペが注目されはじめています。この良さをもっと多くの人に知って欲しいですね」とおっしゃる遊作さんは現在68歳。肌がキレイでとても若々しいのはテンペ効果かもしれません。

今後、野菜ごろっと弁当シリーズの「ステップマクロビ弁当」にテンペメニューが登場します。遊作さんのこだわりの結晶とも言えるテンペを、オーガニックキッチンのお弁当で是非お楽しみください。